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2012/02/12

海外で紹介される邦人作品に伴うおはなし

とタイトルに書いてますが、
ぶっちゃけ高昌帥氏のプロフィールについてのおはなしです。

こんばんは。
WASBEやミッドウエストクリニックなどで、
邦人作品が披露される機会が増えました。
大変喜ばしいことだと思います。

で、海外でこのような機会が増えるにしたがって、
個人的に気になっていることがあるので書いてみたいと思います。
冒頭に書きましたが高昌帥氏のプロフィールの件です。
ご本人はもしかしたら気になさっておられないかもしれないのですが、
個人的に気になって仕方ないので、
ここで一度考えてみようというお話です。
かなり書きにくいお話ではあるのですが、
このままでよいのかな、という問題定義でもありますので。

今回のお話はいわゆる在日についてのお話なのですが、
高昌帥氏ご本人が「アリランと赤とんぼ」の解説で、
「在日コリアン」という表記を使われていますので、
この表記で書いていくことにしましょう。

まずは記述をいろいろ拾っていきましょう。
まずは日本語の記事から。

最近発売された「日本の作曲家と吹奏楽の世界」の、
対談「日本の若手作曲家と吹奏楽の未来」 P293より

「中橋(愛生氏) 関西を中心に活動している。 (略) 高昌帥さんって。
          在日三世なんだけど、もう大阪人ですね。」

という記述があります。
おそらく日本の(コアな)吹奏楽っ子の中では上記のことが共通認識としてあるかと思います。

次は、WASBE 2011の大阪音楽大学の演奏会のレポートから。
本文にこのような一文があります。

"This was a well constructed programme, with strong pieces by Nagahashi, Hoshina and Oguri giving us a birds-eye view of Japanese music of today, and ending with what I considered an especially strong piece, Mindscape for Wind Orchestra by the South Korean composer, Chang-Su Koh."

重要なのは後半部分。
多少意訳をすると
「韓国の作曲家、高昌帥作曲の「ウインドオーケストラのためのマインドスケープ」」
という記述があります。
また、前半部分に「日本の今日の音楽を鳥瞰する~」という記述がありますので、
他の日本の作曲家の方々と切り離されて語られているとも考えられます。

さて、もうひとつ見てみましょう。
こちらも最近話題の「Wind Bands and Cultural Identity in Japanese Schools」です。
バンドジャーナルでお知りになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの、P168のNotes 6 にこのような記述があります。

"Judging by the composer's name, Chang Su Koh is Chinese ancestry, but since this is not mentioned in the composer profile, it can be surmised that he is a long-term minority resident of Japan."

「「高昌帥」という作曲者名は中国を祖先にもつと判断されるが、そのことは作曲者のプロフィールには言及されていない。このことから、彼は日本の長期的な少数居住者と推測される。」

というような訳になるかと思います。
間違ってたらごめんなさい。ご指摘いただけるとありがたいです。

上記の一文、推測はほぼ正しいのですが重要な部分が違います。
中国ではなく韓国・朝鮮がルーツというところです。
名前の音から推測されていると思われるので、
これは致し方ないかな、と思います。

以上、私が持っている資料から抜き書きしてみました。

ここから見えるのは、海外の人から見ると、
在日コリアン、という認識がまずないということ。
作曲者プロフィールでそのことが触れられていないのは、
お名前と大阪のご出身ということから、
日本の方ならわかるから触れられていないのですが、
そのことが海外の方にはわかりづらいということ。
結果、韓国の作曲家という記述になったり、
中国がルーツ、という記述になったりするのかな、と思いました。

すでに「ラメント」なども海外のCDに収録されていますし、
来月にはNAXOSから「コリアンダンス」が収録されたCDも発売されます。
民族色が強い作品がこれからもたくさん海外に向けて発表されると思いますので、
そうなるとますます、私としてはきちんとした紹介と認識がされるようになってほしいなあ、
と切に願うところなのです。

決して簡単ではないことではあるのですが、
少しでも伝わるといいな、と思って書きました。

という、おはなしでした。

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