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2011/11/01

マーチの課題曲の意義

こんばんは。

コンクールの感想の中でも少し触れた、
マーチの課題曲について触れてみようと思います。

私もいい年ですので、いろいろ聴いてはいるのですが、
今年ほどマーチの課題曲が難しいと感じた年はありませんでした。
私が聴きに行ったコンクールは下記の通りなのですが、
・奈良県一般
・関西支部 大学/職場一般
・全国 大学/職場一般
その中でもやはり、毎回思うことは、
「今年のマーチの課題曲は難しい」ということでした。

本来、マーチの課題曲を選択すると想定されているであろう、
中学の部でも、後半でIV(南風のマーチ)を選択したところが一つもなかった、
というのがその難しさの例だとも思えるのです。
(↓中学の部の曲目一覧はこちら。課題曲も掲載されています。
 http://www.asahi.com/edu/suisogaku/contest/juniorhigh.html

2008年から課題曲がマーチ2曲、オリジナル1曲+連盟作曲賞1位1曲
という形式に変更されました。
いくつか理由はあると思うのですが、
その中のうちの1つに「マーチを毎年選択できるようにする」
というものもあったのでは、と思うのです。
ぶっちゃけ書くと救済策ですね。
私も全国レベルの団体に属したことがないので、
この救済策がたてられたであろう背景は理解できます。

ただ、その救済策たるマーチの課題曲が、
逆に奏者を苦しめてしまったのであれば、
元も子もないように思います。
実際、全国レベルの団体でも、
演奏に苦慮されている団体が少なからずありました。
大人の団体でもそうだったのですから、
中学生ともなると相当大変だったのではないかと思います。

近年、課題曲への応募総数も右肩上がりになっているとききます。
すそ野が広がっているということは、
選択肢も増えているということですので、
選ぶ側で、もう少しなんとかできなかったのかな、
とも思うのです。
以前に当時十代の方の作品が採用されたこともあるのですが、
その時は同時に、何度も課題曲に採用されているベテランの方の作品も採用されています。
(2005年、2008年ともそうですね。2005年はまだマーチのみの時代でしたが)
経験があるということはそれだけの安定感もあるわけで、
今回、マーチの課題曲が採用されたのがどちらも20代の方で、
しかもどちらも初採用だったというのはリスクが高かったのではないか、
と個人的には思うのです。
似たような例を挙げると、2009年も比較的若い方で両方初採用の方ではあったのですが、
そのときはそこまで問題とは思えなかったのです。
単に私がそこまで気が付いてなかったからかもしれませんが。

もちろん若いから駄目、ということはないのですが、
(20代で課題曲が採用されて、その後活躍されている方もいらっしゃいます。
 最近の例だと高橋宏樹さんがわかりやすいかも)
幅広い年齢層の方が長く演奏する曲である、
という視点でもってみると、
もう少し考慮する余地があったのではないか、
と思います。
今年度のコンクールが終了してしまった今書いても仕方のないことではあるのですが。

何かと軽く見られがちなマーチの課題曲ですが、
役割は思っている以上に重いです。
なので、どこかで見直していただけるとうれしいな、
と思う、マーチの課題曲が好きな人からのお話でした。

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コメント

いつも楽しく拝見しております。


私も一般午前早めで参加しまして課題曲1を演奏しました。以後の1の演奏は大変シンプルな曲ですが 各楽団の持ち味と仕込みが全く違いコンクールとして点を付けるにはやはりマ―チは審査には吹奏楽の課題曲としては良いと思います。

私達も長年マ―チに取組んで来ましたが、前夜にスネヤ奏者が突然楽器をプロお薦めのに変更したらトリオで落ちました。

上手な方で練習でも10年間有り得ない事でしたが、演奏が以後全体崩れました…されどマ―チです。

投稿: マイスターフォーク | 2011/11/01 06:39

マイスターフォークさま、コメントありがとうございます。
いつもお読みいただきありがとうございます。
実際に課題曲1を演奏された方の書き込み、ありがたいです。
午前中に課題曲1を演奏された団体の方、
ということですので、
おそらく東北の楽団の方だとお察しします。
素晴らしい演奏をありがとうございました。

本文中ではぼかして書いていましたが、
まさしくマイスターフォークさまが書かれておられる、
スネアのことを書きたかったのです。
上手な方でもそういうことがあるのですね。
今年のマーチはスネアが難しいと常々感じておりましたので、
実際のそのような事例をお聞きすると本当に、
されどマーチ、と思います。
本番、本当にお疲れ様でした。

これからも素晴らしい演奏を楽しみにしています。

投稿: ごいんきょ | 2011/11/01 21:11

初めて書き込みさせていただきます。
個人的には、いわゆる「課題曲マーチ」は毎年委嘱しても良いのでは?と思っております。
難しい曲を選ぶことが出来ない団体のための救済枠であるからこそ、素人の公募作品に頼るのではなく、
きちんとした作品を書ける作曲家に書いてもらった方が…と思います。

投稿: 中野慎太郎 | 2011/12/05 13:38

中野慎太郎さま、コメントありがとうございます。

そうですね、毎年委嘱するぐらいの方がよいかもしれません。
昔は課題曲マーチの委嘱もありましたが、
最近はオリジナル曲がほとんどになりましたし。
こういう曲こそきちんとした曲を、と
私も思います。

投稿: ごいんきょ | 2011/12/06 20:52

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