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2005/06/18

陸上自衛隊中央音楽隊第54回定期演奏会

今回は馬笑さまとご一緒に聴かせていただきました。
馬笑さま、ありがとうございます。

今回は同隊ハープ奏者、三村清順氏編曲の曲を中心のプログラム。
一般的な吹奏楽のコンサートとはかなり異なった選曲のため、
会場内はかなり大人の雰囲気が漂う演奏会となっていました。
このような雰囲気での演奏会もとても良いものですね。

では、感想に参りましょう。

1部:
■防衛庁自衛隊50周年記念曲「輝ける勇者たち」/渡辺俊幸作曲
 今回唯一の吹奏楽オリジナル曲。
 「輝ける勇者たち」の名にふさわしく非常に輝かしく、
 かつ勇壮な親しみやすいメロディーの曲でした。
  
■どろぼうかささぎ/ロッシーニ作曲/三村清順 編
 序曲らしい、にぎやかでこれから始まる劇のダイジェストのような、
 そんな印象の曲でした。
 劇自体は現在では全く上演されないということです。
 序曲でだいたいの雰囲気がつかめるということでしょうか。
 
■組曲「クープランの墓」/ラベル作曲/三村清順 編
 大胆な編曲のこの曲。
 トロンボーンおよび打楽器を排した編成となっています。
 このような編成の妙も味わえるのも今回のプログラムの魅力の一つですね。
 非常に繊細かつ流れる風のような演奏でした。
 本当に個人的な印象を書くと3楽章の最後の解決の仕方が良かったです。

2部:
■中央アジアの草原にて/ボロディン作曲/三村清順 編
 草原の草の匂いが匂い立つような演奏。
 雲一つない快晴、というのではなく、
 たれこめた雲から光が射すような演奏でした。

■交響曲第2番/ボロディン作曲/三村清順 編
 二楽章に「1/1」の拍子がある曲(と馬笑さまに解説いただきました)
 その部分に着目して聴いてみましたが、
 確かに2/2でも4/4でもない、不思議な拍子感覚がありました。
 ロシアの作曲家らしい、どこか豪放で質実剛健といった、
 決して華やかになりすぎない演奏でした。

アンコールは馬笑さまによると普段演奏されないということでしたが、
今回はありました。
須磨洋朔/行進曲「大空」です。
曲は戦後間もない頃に作曲された、という感じの曲ではあるのですが、
現代らしい味付けがされていて感覚として新しい、
という印象の演奏でした。
ちなみにこの曲、「日本のマーチ・ベスト(戦後編)」に入ってますね。
パンフレットにちらしも入ってましたし、会場でCDも発売されていました。
CD発売記念で特別にアンコールが用意されたのかもしれませんね。

全体としてはハープ奏者の編曲らしく、
非常に繊細で華美でない、落ち着いた印象の曲の感じ、
かつ演奏でした。

あと、楽器の配置がオーケストラを意識したものとなっており、
ヴァイオリン的役割のクラリネット、
チェロ的役割のサックス・ユーフォ、
といったオーケストラでの役割に即した配置でした。
ですので、フルートが雛壇に上っていたりしましたね。

客層の関係もあるかもしれませんが、
曲に入り込むのではなく、流れる曲を俯瞰するような、
そんな聴き方ができる演奏会でした。

次回演奏会感想は
「航空自衛隊航空中央音楽隊 第44回 定期演奏会」です。
怒濤の演奏会ラッシュもこれで一旦終了。
お楽しみにしてくださいませ。

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